米国歯科医師会(ADA)のHealth Policy Instituteが実施した全国調査で、回答した歯科医師の43.3%がすでに診療所の何らかの業務でAIを使用していることが分かりました。
ADA公式サイトによると、43.3%が現在AIを利用中、26.4%が今後の利用を計画しています。用途別では、画像診断・診断支援が22.8%、患者への臨床所見説明が13.2%、保険認可確認が13.6%となっている一方、治療方針の提案にAIを使う歯科医師は5%未満にとどまりました。
今後利用したい分野では、カルテ・ノート記入(34.8%)、保険認可確認(32.6%)、画像診断(25.4%)の順に多く、診断そのものより事務・効率化分野への期待が強く出ています。82.6%は治療推奨へのAI活用を計画しておらず、「AIが診断スキルを代替する懸念」「誤診・過度な治療のリスク」が慎重姿勢の理由として挙げられています。ADAは、AIの用途・学習データ・性能特性などの透明性を確保する「AIモデルファクトラベル」の標準化も進めています。
確認できた事実 ― 今回の調査はあくまで米国の歯科医師(chairside診療)を対象としたもので、歯科技工士・歯科技工所を対象にした調査ではない。
ここからは推測 ― 歯科医師側の利用実態を見る限り、AIはまず受付・記録作成・保険関連といった事務・効率化分野から浸透し、臨床判断(治療方針の決定)には慎重な運用がなされている。歯科技工分野でも同様に、受注入力・設計案の生成・チェック・書類作成・画像整理といった周辺業務からAI活用が進み、最終判断は専門職が行う「AI補助型」が当面の基本になる可能性が高いと考えられるが、これは歯科医師側の調査結果からの類推であり、技工分野そのものの実態調査ではない点に注意が必要。
- 米国歯科医師の43.3%がすでにAIを何らかの形で利用(ADA公式調査)。
- 現在の利用は画像診断22.8%、患者説明13.2%、保険確認13.6%が中心。治療方針提案は5%未満。
- 今後の利用意向はカルテ記入34.8%、保険確認32.6%など、事務・効率化分野への期待が強い。
- ADAは「AIモデルファクトラベル」で透明性確保を進めている。